父から教えてもらった天風道(香里の会:松谷知美)

天風会に私が入ったのはおそらく小学校2~3年生の頃、父(前香里の会代表)の松谷廣信について行ったのがきっかけでした。

父は調査業の会社を経営しており、ちょうど個人情報保護法の成立により調査自体の存在を否定されるような事態にぶつかり悩んでいたのかもしれません。もしくは長年共に働いた社員が、独立して顧客を奪い合った時期と重なっていたのかも。今となっては色々と思い当たる話はありますが、当時は父が悩んでいるなどということは知る由もありません。

天風会では父と同い年くらいの人から、おじいさん、おばあさんたちまでが温かく迎えてくれて、誦句を覚えていくと「偉いね」と言ってお菓子をくれました。子どもが毎週天風会へ行く理由などその程度のことでした。

しかし意味も分からぬ幼いときから天風会で、人の本質は体でも心でもないのだと教えられてきたので、それは本当に悩んだ時、どん底に落ちずに済んだセーフティネットになっていました。人間関係に悩み、どう生きるべきかを悩んだ中学時代。初めて真面目に「研心抄」を読みました。売り上げが伸ばせず、毎日3~4時間の睡眠時間で働いた新社会人の時「真人生の探求」を読みました。三十代になり、役職は上がっても増えるのはプレッシャーだけという時代に、毎朝積極体操をやりました。

天風会は、悩みを解決するための特効薬でもなければ、手法でもない。そもそものもっと根本的な生命というものについての哲学なのだと思います。大人になれば、知識として知らないことは多々あれど、人とは何であるのかや、人生とは?ということについて、自分が考えるものとは全く別の世界観があることなど考えもしません。またそういう類の話を胡散臭く思い、受け付けなくなる傾向があります。比較的頭で考えがちな私はそうなる前に、天風会を知っていてよかったなと思い、父に感謝しています。「人生哲学」を学ばずして、急場しのぎの小手先技術をいくらつけようと人生の荒波はきっと泳ぎ切れない。

これからも天風会を知識としてではなく、自分に体感として落とし込み、人生を全うできるよう学んでまいります。

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